西中日記

校地の片隅の二宮金次郎像

校地の隅に、二宮金次郎像があります。

台座には(風化が進み完全には読み取れないのですが)、「開校2周年記念 昭和14年4月 甲府市立男子高等小学校後援会」と刻まれているようです。

本校は甲府市立男子高等小学校を前身として昭和21年に開校した市内で最も古い歴史を持つ中学校ですが、この二宮金次郎像は、昭和14年の設置以来80年あまり、この地域に住む子供たち(甲府男子高等小学生及び甲府市立西中学生)を見守り、送り出してきたことになります。

二宮金次郎(尊徳)は江戸時代後期に生まれました。災害で没落した実家を再興した腕を買われ、災害と飢きんで荒廃した北関東の農村の復興を任され、10年かけて成功に導きました。その後も、生涯で数百の村の立て直しに関わったと言われています。明治期になると、「修身」の教科書で「貧しい生活の中でも、一生懸命勉強し、家庭の仕事を手伝い、より良い生活をめざす」模範的な少年として取り上げられようになりました。そして、大正期から昭和初期には、全国各地で、地域の有志が、小学校に勤勉・勤労のシンボルとして(そういう人になってほしい、学校でそういう人を育ててほしいという願いを持って)設置するという一大ムーブメントが起きたと言われています。

本校の二宮金次郎像も、当時の地域の方々の学校に寄せる熱い思いや期待を背負って、この場所に設置されたのだろうと思います。

西中学校は昔も今も地域に支えられているのだなとあらためて思います。